正座して見なさい

この記事を見て、第10回決勝を見たが、改めて名勝負であると思った。つーか、こっちの方が伝説になってもいいんじゃないの? 見応え抜群。あえて、褒めすぎと言いたくなるくらい褒めてみる。

 

・私が思ったこと。1つめ、クイズ問題の絶妙さ。「立正安国論」で二人とも押す現代風早押し問題があるかと思えば、「ヘミングウェイ」「テレホンカード」「マラソン」など、勘で正解させるような問題もある。「眠りを殺してしまった」「石川五右衛門」のような名台詞問題も味わい深い。緩急付けた問題の並べ方はさすが(この辺は現在の「アタック25」にも共通する)。まさに問題作り・並べ方の教科書。それにしっかり対応する2人の集中力もすさまじい。

 

・2つめ、クイズのアヤが非常に分かりやすい形で埋め込まれていること。早押しで流しているときなど経験があると思うが、クイズっつーのは勢いがあるときは連続してどんどん正解できてしまうが、その勢いが何処かで止まってしまう瞬間があるものだ。ウルトラクイズの場合、決勝戦で先に9ポイントに達すると、たいてい指が止まる。森田さんですら1回目のリーチの後に指が止まってしまっている。そういうもんなのだろう。それに抗うかのようにおふたりとも9ポイント後に確実ではない勝負に出て、おふたりとも誤答。でも結局は9ポイントから一気に勝負に出た森田さんが勝利。

 

・誤答したときも、勢いが一気に止まってしまう。これもウルトラや高校生クイズでよく見られる現象である。相手の勢いが止まったところで、どちらもたたみかけるように勝負に出る。そういう勝負のかけかたのお手本が堪能できる。クイズの大勝負を控えている人は、是非じっくり見直しましょう。

 

・てな路線で1問1問追いかけていったら、それなりに観戦記が書けるかも。面倒なんで書かないけど。

 

・3つめ、やっぱ福留氏はすごい。これは実際見てちょうだい。

 

・4つめ、独特のカメラアングルが非常に良い。これはロケ地の選定ミスからくる怪我の功名かもしれないが、また2人が良い顔するのよ。

 

・で、勝負の分かれ目が何処にあったのか、についてはなかなか結論が出ない。どちらが勝っても不思議ではない(から名勝負なわけですな)のだが、強いて言えば、(あくまでも放送上ですが)「法、法華経と鳴くのはウグイス」で無理な勝負押しをしてしまった西沢さんの方が、クイズの女神に恵まれなかったのかな・・・などと(法華経→仏法僧のパラレル、にはなかなか気付かないよね)。不確実な押しをしてしまうと、女神はさーっと逃げるのよね。それでもこのときは誤答だったからまだマシで、たまたま正解だったりすると、その後ほんっとロクなことが無い。リズムやフォームが崩れるし。そういう意味では、実は「ヘミングウェイ」を正解したことの方が敗因だったのかも。案外、前半で無理な勝負だけどたまたま正解してしまった、というのが敗着になることがあるんですよね。ま、すべては後付けに過ぎないけど。

 

・ああいうのを見ると、クイズやりたくなってきますね。もちろん、出題者としてですが。