おんなじこと2回もやってんねんから(田中だよ!全員集合~)

進学校の3年担任などということをしていると、前期入試までひたすら忙しい。毎日東大の過去問(国語)を解きまくっている。ということで、前期入試の日は朝から東大近辺に出没(もちろん仕事)する予定。

 

・先週末のクイズ的なものにひとことだけ。

 

・「頭脳王」について一応確認。問題作成者と解答者の知恵比べになっていないから、見ていて全然ドキドキしない。完全に参加者が作題意図を見切ってしまっているのが視聴者にビンビン伝わってくるのだ。いや、正確に言えば、参加者が作題意図を見切れるような問題をわざわざ出題しているのである。だから参加者は「ああ、こういうことをしてほしいのね。そうすればオレは頭良く見えるのね、それが演出意図ね」と考えて、行動することを求められている。

 

・これを実現するために、一見難しそうに見えて、最短距離に気付けばかなりのスピードで解けるような問題(もちろん、暗算力とか記憶力とかが並外れている人なら、という条件が付くが)とか、過去問の簡単な分析により事前に対策できるクイズ問題ばかりを出題しているわけですな。

 

・別に参加者を批判したいのではない。優勝すれば100万円なんだから、参加者はそうやって対策でも何でもして、勝ちに行ったら良いと思う。なお、クイズの優勝賞金に100万円がふさわしいか、という議論が散見されるが、私としては「100万円くらいがちょうどいいんじゃないか」という立場である。クイズで1000万円とか1億円は、ちょっともらいづらい。

 

閑話休題。私は別に「頭脳王はヤラセだ」と結論づけたいのではない。そもそもクイズ番組に限らず、テレビ番組全般には、昔からこういう構造が多かれ少なかれ埋め込まれ得るものなのだ。ただ、それが度を超えて露骨に行われてしまうと、「クイズ番組」延いては「テレビ番組」というものに対する信頼感が失われるのでないか、と危惧する。同じ手を何度も使うのは、どうなんだろうね。

 

・ジグソーパズルの問題なんかは、過去にも出た訳だから、もう少し悩ませるような作りをしたらよろしいのではないか。例えば、凹と凸が2個ずつのピースが欠損しているようにするとかさ。そうしないで凹と凸の配置が一意に決まる(=凹凸を数えるだけで書けてしまう)ものを前にも出したし、今回も出した。こういう出題の仕方ができてしまう作問者の発想が全く理解できない。

 

・「99人の壁」。番組としては成立しているんだから、全然いいのです。そりゃ、秋田から来た普通のおっさんが100万円とったり、ドラマ好きなおねえさまがワンシーンを演じたり、そういうのを見たい私からすれば、物足りない感じはしますが、そんな一部の視聴者は無視して良いのです。

 

・もう一度書きますが、あの頃の「99人の壁」はもう戻ってこないでしょう(鶴くんには申し訳ないが)。たぶん、スペシャルですらあの形式ではもうやらないのではないか(全員が同じジャンルとかならあり得るが)。100ジャンルの問題を用意する番組的な体力は、もう無いのでしょう。そんな気がしますな。

 

・それは元々、無理も無いことなのである。有り体に言って、レギュラー開始当初、番組作りに手間を掛けすぎた。業界注目度も高く、クイズ問題にもクオリティが求められるし、出場者にも個性が求められる。たいして面白くもない秋田のおっさん(しつこい)より、キャッチーな小学生とかマニア丸出しの人とかの方がいいよね。

 

・どうも私は難読漢字系の問題が好きになれないのだが、世の中漢字問題好きなのね。こないだたまたま目にした「潜在能力テスト」で、漢字の読み方しりとりをしているのを見て愕然とした。「雑学王」のパクリじゃん。もっとも、「漢字の読み方しりとり」の何処が雑学王なのかも分からないけど、ってそんな話はここですでに書いていた。

 

・問題についてひとつだけ。難読名字については、怪しいものも含まれていたような気が。「全国〇〇人」ってのも怪しい。家の森岡浩本(3冊)や丹羽本や佐久間本にも、全く掲載の無い名字がいくつか見られた。基本的に、「自分で確認した名字しか発表しない」森岡浩さんに監修してもらうのが安全だと思う。

 

・ブロッカーの学校の先生たちも、校長から非常勤講師まで硬軟取り混ぜていたが、クイズ屋さんもたくさんいたのう。アタックで対戦した方とか、オープンで対戦した人とか。