監督ばんざい

・私は副業のない現役の高校教員である。で、高校生のクイズを「部活動的な活動」にすることに、一貫して反対し続けている。かつ、ここ数年「クイズ同好会」の顧問をしている。それを前提とした上で。

 

・それでもどうしても部活動的にしたいのであれば、最低限、次のようにした方が良いと思う。①「司会者」を排除すること(出題者や審判は必要だけど)。途中経過を説明するような人も必要ない。見る人にとってどうすれば面白くなるかなど、一切考えるべきではない。②試合中に顧問・監督的な引率者がアドバイスをしたり声をかけたりすることを禁止する。ギャラリーによる応援も禁止。

 

・①について。司会者の言動が高校生のメンタル等に影響を与え、勝負の行方を左右する可能性がある。つーか、部活の大会で、試合の状況を選手に聞こえるように解説する人間がいるなどという状況は、絶対にあってはならない。まともな教員ならそう考えるはずだ。問題読みと正誤判定者、得点表示係くらいで良い。

 

・②について。応援やアドバイス、声かけを認めると、どうしても相手にプレッシャーをかける方向に使いたがる人が出てくる。絶対にそうなる。なぜかクイズをスポーツと同列に考えて、スポーツの応援やアドバイスのようなイメージを持ってしまう人がいる。而るに本当にクイズを部活動にしたいなら、文化部としての王道を行くべきである(だって高文連に加入したいんでしょう?)。将棋や囲碁の最中に応援やアドバイスをするか? たとえ「その方が選手のやる気が出る」という意見があったとしても、無視すれば良い。

 

・一般論として言えば、部活動の監督というのは、勝っても負けても、自分たちの戦術について軽々しく外部に公開するものではない。私はそう教わってきた。ましてそれがあまり褒められた手段でない場合は、なおさらである。そして言い訳をしない。部の監督というのはそういうものなのである。

 

・結局、クイズを部活動にするために最も欠けているのは、「クイズによる部活動を通して、どのような教育的効果を目指すか」という点だろう。私には、その答えが思いつかない。教育的効果を上げるためにクイズを使うのは、どだい無理だと思っているからである。それでも部活動として世に認めさせたいなら、せめて「教育的効果とは真逆な行動」を取らないようにしないといけませんね。