どこよりも早いセンター解説(簡単に)

・第1問。やや経済学の知識が必要にも見えるが、分からなくても問題をとくのにそれほど支障はないと思われる。漢字問題は微妙なところを衝いてくる。「竹馬の友」「布石を打つ」など、慣用表現を選択肢に入れるのも特徴。センター試験の選択肢の書き取りだけでも相当力が付く。「滞留」はやや難か。問2、選択肢の語の使い方だけでも絞れそうだが、ちゃんと解くとすれば、アダム・スミスの引用の次の段落を要約した選択肢を選ぶのが正しい。問3、センターお得意の具体例問題。いきなり具体例を見ると失敗するので、「どういうところに注目して選ぶか」を明確にしておきたい。ここでは傍線部B=「ヴェニスの商人の影」=次段落「なぜならば」以降=「差異」。たぶん「差異」に注目できなければ悩むはず。問4、「どういうことか」問題。傍線部を含む一文を一生懸命読むのが鉄則。この差異の歴史的な安定性が「人間」という主体の存在を措定(この語は高校生にはやや難か)してしまう、というのだから、「この差異」=「労働生産性と実質賃金率の差異」に、人間がどう絡んでいると見ていたのかを探す。と思ったら、「この差異」の内容適合だけで正解が出てしまうから調子はずれ。問5、「どういうことか問題」は、傍線部をちゃんと言い換えている選択肢を選ぶのが鉄則。「人間が一度として中心にあったことはなかった」にあたる内容で締めている選択肢はひとつしかない。センター試験はこのパターンが偶に見られる。これを早く解けるようになれば高得点も見える。問6、新傾向。意欲的な問題と言えるが、単に問題を作れなかっただけにも思える。(i)は、明らかに断定表現が次に見られることを意識できたか。(ⅱ)は「構成」とあるから、全体を大まかにまとめたものを選べばよいだろう。

・第2問。問1、「いわく言い難い」は「言い難い」で考えれば簡単。「権化」も、「和声理論」を「悪」に言い換えても成立するものを選ぶのがよい。「みもふたもない」も、普段の使い方に照らせば簡単。問2、傍線部直前「つまり」が言い換え。おそらく作成者は選択肢後半「具象化した(=枯草の臭い)」「純化した感情(=いらいらするような感情は一つもなくて)」を使わせたいのだろうが、前半だけでも①しかない。なぜなのかを考えるのは練習に最適。問3、文章構成からも選択肢の作りからも、地区大会で何が感じたのかを問うていることが分かる。③がやや悩むかも知れないが、他の学校の優れた演奏を聴いたことが本文で延々と記されているから、それに絡まないのはダメ。問4、すぐあとの「それにしては」以後が、選択肢の前半に来る構造。⑤の前半も悪くなさそうだが、「恋人同士のような」という比喩に、「笑いたくなる」という要素が入るのは無理。問5、選択肢最初「~克久のプライドは」までは、決め手になりそうもないので、その後からしぼる。すると、本文「誇りは輝かしいと同時に危うい」=選択肢「りりしさともろさ」とか、本文「よく知っている克久とは別の少年がそこにいる」=選択肢「理解しているつもりでいた克久ではない」などの対応が楽に見付かる。問6、①②⑥は間違いと判断できようはずがない。③は明らかにおかしい。④は直喩より隠喩が分かりやすい、という意味になるが、そんなはずはない。⑤は「現在形を用いる意味」だが、読者との距離感が縮まるのが根本なのでOK。

・第3問、短歌6首はうっとうしい。問1、アは重要事項「まぼる」「奉る」「まほし」で決着が付くが、これが分かると読解のヒントになるからおいしい。イは重要語「まめ」と「まみ」「わたり」でおしまい。ウの「つきしろふ」は分からなくても、「きこゆ」で①②⑤。「わづらふ」で②に絞れる。問2、aが動詞、bが断定だと分かればオシマイ。つまらん。問3、単純に、大将が姫宮を気に入ったことへの評価と考えれば楽。①だとマイナス評価になってしまう。問4、和歌の問題か? 「雛屋」は傍線部ウのある段落の内容から考えて。問5、「をこがましう」だけで決着が付いちゃう。これでいいのか?

・第4問。センターレベルでも「動もすれば」が出るのは驚き。ただ、センターの語句だからといって甘く見ない方が良いのは事実。「是」はすぐあとの「非」の対義語。問2、「なんぞしらんや」が文章の終わりまでかかっていることに気付くと、②③⑤に。「雖も」を適切にしたのは⑤のみ。で、「できない」が「可得」にあたるから、これでカンペキ。問3、目標は「杜詩」を学ぶことだから、Ⅰで③か⑤。ⅡⅢはどっちが理解しがたいかを探せばよい。問4、書き下しは、「何如」は「いかん」「いか」と読まなければ絶対ダメ。また、「当」を「まさに」とよむなら「べし」を再読せねばならない。これだけで選べる。問5、新傾向だが、簡単。