・正解は「寺山修司のあいさつ」でした。30年以上前の話、ってのがヒント。
・『タモリ論』は方々で不評であるらしく、書評などでも扱き下ろしばかり目につく。ま、あの内容では仕方がない。
・致命的なのは、この著者が「芸人がネタでキレること」が分かっていないorわざと無視している、ということである。「さんまのまんま」で上岡龍太郎さんがゲストの際、お茶の入れ方に文句を言う龍太郎師にさんまさんが「おまえがやれ!」とキレた場面。「凄い剣幕でした。(中略)この世界から出て行く者に対して、容赦ない感じがして怖かったことを覚えています」と記述。そういう風に見えたのだったら仕方がないが・・・文句を言う芸風の龍太郎師に、ツッコミとして「おまえがやれ!」と言って落とすという、関西芸人同士の予定調和(いい意味ですよ)にしか私には見えない。
・同じことは、タモリさんがビートたけしさんを悪し様に言った場面や、ビートたけしさんが三宅裕司さんを悪し様に言った場面にも言える。もしかしてこの方は、「人志松本の許せない話」もマジにキレていると思って見るのだろうか。「そういう芸風じゃん」「ネタであって、本心じゃないでしょ」で終わる話が多いのである。
・もうひとつ致命的なこと。ビートたけしさんもタモリさんも、若い頃に比べ、ここ数年(10年以上経つかも)は発言がたいへん穏やかになってきている。攻撃的ではなくなっている、と言うべきか。その辺の差を意識せずに論じている部分が多い。