才色兼備(言われると損をしやすい言葉シリーズその1)

・私は1975年産まれだが、ちょうど私の世代は「お笑い鑑賞黄金世代」に当たる。

・幼いころ、漫才ブームから欽ドン三波伸介の記憶もあり、東八郎由利徹も元気、ドリフからひょうきん族、お笑いスタ誕でとんねるずも最初から見ており、スペシャル番組も多数、BIG3からお笑い第三世代からダウンタウン全盛、その後もとにかく良質なお笑いを浴び続けた。自分の世代を評価するのも何だが、お笑いに対する吸収量はどの世代よりも多いと思う。

・そんな我々も、もろアラフォーである。今、お笑い芸人ではこの世代が一番元気あり。テレビ業界でも、この世代が番組作りの中心を担うようになってきている。

・だから、明らかに昔のバラエティー番組のオマージュと思われる企画が出てくるのだろう。今年の「27時間テレビ」での車破壊は記憶に新しい。あの企画の失敗は、自分たちが面白いと思ったことについて、正確な「面白さの原因分析」ができていないところにある(誰も指摘していないが、BIG3の車破壊が面白かったのは、逸見さんがいたからなのだよ)。

・一方、お笑いの歴史を体感しているからこそ、今までにない企画を考えることもできるはずである。自分の感覚をリトマス試験紙にするのである。「お笑いに詳しい」ということは、お笑いを作る上で諸刃の剣であり、うまく利用すれば新しいものができるはずだ。

・何が言いたいかというと、高校生クイズも同じだよね、ということ。今のクイズ関係者の方々には、数字がすべてで、新しいものを作ろうという気持ちはないと思うので、「ウルトラの焼き直しだ!」などという批判をしても何の意味もないでしょう。だって、我々世代の究極の目標は「ウルトラクイズの復活」なんでしょ、たぶん。私は熱烈な復活反対派ですけどね。

・それに、焼き直そうが何しようが、数字が良いのが正義ということ。数字が良い限り、同じことを繰り返すはず。ま、高校生クイズに、新しいものを生み出す力を期待するのは第23回からやめたので、別にいーけど。

・それにしても、数年前、超難問と煽った問題をそのまま早押しで出題する感覚には、感動すら覚える。これで「問題作成」と自称できる潔さ。いやーすばらしい。私には無理ですね。ボクなら控えめに「問題構成」くらいにしますね。

・ただ、この番組に意義があるとすれば、一般人を連れて行く海外ロケ番組のノウハウを復活させようとしているかもしれない、と言うこと。これはテレビ的に意義深い。クイズ的には意義深くないけど。

・何でも良いけど、「21世紀枠」って超うさんくさくないか? 論理的には絶対必要ないものだし。