僕がテレビ屋サトーです(本棚の愛読書シリーズその1)

・このところアクセス数がやたら多いので、便乗して書き込みを。また「99人の壁」関係の話。

・「難読駅名」「秘境駅」の2人の楽屋訪問VTRで、2人が二朗さんそっちのけで問題の出し合いをしていた。クイズ的に言って非常に美しい光景であった。少なくとも、既存の問題集で辺り構わず早押し機を広げてはしゃぐ若者の姿より、子供同士で好きなことに関するクイズの出しっこをしている姿の方が、余程クイズの原点であると思った。

・話を変える。以前から度々申し述べているように、私は(クイズ屋ではない)一般の方がクイズをする姿を見るのが好きである。ウルトラクイズが好きな理由もそこにある。

・一般の方のクイズする姿の何処に惹かれるのか。それは「クイズに一問正解することが、どれだけ難しく、また嬉しいことか」を強く感じさせるからだ。「99人の壁」は、そのルールの厳しさや、問題の絶妙なバランスなどで、それを浮き彫りにする。

・「アタック25」で、明らかに不利になる場面でわざわざ正解する人がいる。何故そんな無駄なことをするか。明らかだ。正解できるのが嬉しいからだ。一般の方にとって、テレビでクイズに正解できることは、非日常の嬉し過ぎることに違いない。分かる問題が出ることは、無条件で嬉しいのだ。

・もしかしたらそれは、我々クイズに慣れた人間が、いつか忘れてしまったことなのかもしれない。でも、クイズの原点は、いや、少なくともクイズ番組の原点はそこにある。

・私が「99人の壁」を一押しする理由も、クイズを非日常の楽しいイベントにしている番組だからだ。だって、壁の皆さん、みんな明らかに遊びに来てるもん。でも皮肉とか揶揄とかでなく、それが理想だと思う。みんな本当に楽しそうなのよ。そうやって遊ばせながら場を盛り上げるスタッフの技に、私は古き良き時代から細々と続く、フジテレビのバラエティ番組の矜持を見ているのかもしれない。