99人の壁!について

・ということで、グランドスラムでした。前回もセンターに立てなかった私は、ずっと「押せば取れたよね・・・行かせてはおしまいだ」という福留功男氏のセリフを頭で復唱していた(ウルトラクイズマニアは分かりますね)。私の場合、センターに立つチャンスは、毎回2回くらい巡ってくる。それをきっちりモノにするかどうか。

・確実に100万円取ることを考えると、「昭和お笑い史」というジャンルは漠然としている(=対策しにくい)のは確かだが、逆に漠然としている方が「対策されにくい」とも思う。ともあれ、100万円のために無理して指定したわけではないジャンルで(秋元さんいわく「ストロングスタイル」)勝負したかった。何より、「昭和お笑い史の人」という呼称を私は大変気に入っている。

・で、私の出番だが、「問題が簡単だった」という書き込み多数。「俺ならブロックできた」というコメントも多数。そのことで番組に出てみようかという人が増えるなら、それでよし。クイズは見るより出るべき(本当は、さらにそれより「作るべき」がある)。

・1問目。漫才コンビというのは予想通り。秋元さんから収録後「なぜ順番通り③海原はるか・かなたに行かなかったのか」と聞かれた。その時は「好きな順に答えたから」と答えたが、やっぱりあの場で神経が高ぶっているので(壁からの圧迫感は、正直感じなかった)、正解を言ったつもりでも「海原かける・めぐる」とか間違って答える可能性を、完全に排除することができないような気がしたこともある。意外と1問目の穴埋めで簡単に間違ってしまうチャレンジャーは多い。穴埋めはとにかく確実なものから答えるべきだと思う。ブロッカーを間違わせようなどと余計なことは考えない方がいいのではないか。

・2問目。秋元さんの対策問題でも触れられていたので「みなさんのおかげです」が昭和開始なのは自信を持っていた。ここでブロッカーが「ガキの使い」で間違ったことで、運がこっちに向いてきた。もっとも、この日は最初から自分に風が吹いていることを感じていた。そもそも、ブロックできそうなジャンルがいつもより明らかに多いのだ。かつクイズ屋らしいクイズ屋が全然いない。しかも、相当早い段階で(確か収録開始3~40分で)センターに立てた。経験上、収録時間の最初の方より、後の方がブロッカーの押しは厳しくなってくるものである。

・3問目。今までの収録では、ことごとくイントロを押し負けてきたのだが、全然負ける気がしない。数年前、古いお笑いに関する曲をmp3で入れまくったCD(タイトルは「Please,Laugh」)を作り、車で聞きまくっているから。しかも「ゲバゲバのテーマ」は、私が「世界三大マーチ」に入れるほど好きで好きで仕方が無い曲なのである(あと2曲は「軍艦マーチ」と「錨を上げて」)。

・そういえば、「正解の基準」という話がちょっと前に盛り上がっていたが、これだって正確には「巨泉・前武ゲバゲバ90分」である。まあ、5問目じゃないから許してくれたのかな?

・4問目。「入間市民会館」「9分半」などいろいろ答えがありうるのによく勝負した、という声が散見された。この押しは伏線がある。

・ここまでの収録で、自分の問題文の先読みや、解答がどの辺に落ち着くかという感覚・勘は、全く間違いないという結論に達していた(これは結局辞退した「ホールドオン」にも感じていた)。特にババ抜きは知らない問題でもほぼ正解できていた。クイズ番組だから、答えの選び方も「より本質的で、かつ面白い単語」に落ち着くだろうと思っていた。で、「停電した、しか答えはあり得ないだろう」とヤマを張っていた。あとは何処で押すかだけだ。

・一般論として言えば、「一度だけ、8時」まで聞けば確定ポイントとなる(=「9分半」の可能性を外せる)。しかし私は「8時」の部分を読ませ押しする感じで押している。なぜここで押したか。全員集合に関する書籍は相当読んでいるが、今まで一度も「『8時だョ!全員集合!』というコールが、一度だけ使われなかったことがある」という記述に、出会ったことがないのである(多分)。だから、「8時だョ!全員集合!」というコールが使われなかった例は他にもある可能性がある(少なくとも、問題作成者がその可能性を排除することはできない)。ただ、そうだとしても「停電」以外の理由を聞いたことは無い(いかりやの代わりに加藤がコールした例はあるけど)。だから、私にとっては「一度だけ」が確定ポイントになっていたのだ。「一度だけ、他のかけ声をしたことがありますが、それはどんなかけ声でしょう」と、続かせることができないということだ。

・で、最終問題。ジュラルミンケースを触ったのは、ここまでさして面白いやりとりができなかったから、ちょっと笑わせようというスケベ心である。今後、5問目にチャレンジする人に流行ればいいと思う。

・5問目。「イントロに前振り無し(by秋元さん)」の言葉通り、ガチ早押し。考える必要もないし、ひっかけを恐れる必要もない。だから、とにかく点いて良かった。押し勝てた理由は、自信があったことと、センター席のボタンの方が圧倒的に押し易いことの2点だろう。

・これを機に、戦前のお笑いとか、戦後すぐのお笑いとか、そういう問題を私に出してくれる人が増えることを祈っております。全然反応できなかった壁のお子たちや若者たち、ごめんなさい。でも私も長い壁生活で、そういう経験いっぱいしてるので。ま、どんなジャンルでも、99人の壁のうち、本当に壁になれる人は4~5人くらいだろうからね。