選手としては卒業します(クイズ界聞き間違いシリーズその1)

・クイズ問題をアップしました。今年は1000問作る(=発表できる問題を1000問作って、ちゃんと発表する)ということを言ってしまったので、がんばっている。

イチロー引退が相当なニュースとなっている。私はどうもスポーツ選手を自分と重ね合わせたりする習慣が無いので、そうとう冷静にニュースを見ていた。

・競技クイズの引退を宣言する人がちらちら出てきているようで、それに対するツイートなども散見される。競技クイズを極めようという努力は、一流アスリートがしている超人的な努力に近いことを目指しているわけだから、何処かで引退を考えるのも必然だろう。イチローのように40代半ばで引退する人もいれば、高校出てすぐ引退する人もいる。まあ、そういうもんだろう。

・殆どのスポーツがそうであるように、競技クイズについても、どうしても年齢に抗えない部分がある(と思うが、経験が無いので想像で書く)。反射神経は鈍るし、だいいち思い出せたはずのものが思い出せず、学生のように練習・勉強の時間も費やせない。いかんともしがたい衰えを強く感じさせる競技だ。

・一方、はじめから競技クイズに向いていない人も存在する。私なんかがその代表だが、アウトプットに時間がかかる、暗記が苦手、地道な作業が苦手、勝負に拘りが持てない、などなど。こういう人が競技クイズを何かの拍子で目指してしまうと、それはそれは哀しいことになるように思う(が、経験が無いので想像で書いている)。

・本当にクイズは、年を取るとダメになってしまう遊びなのだろうか。イチローは「頭を使う野球がどんどんなくなっている」という趣旨のことを述べていた。クイズも同じかもしれない。頭を使わないクイズを別に否定しないが、「みんなが作りそうな・答えそうな問題と答えの組み合わせを覚えて、人より早く押す」という形に、頭を使う部分はかなり少ないのではないか。「知っているかどうか」で勝負が決まるとすれば、クイズ中に頭を使うことはあまりないもんね。

・頭を使う要素を盛り込むことによって、年を取った方が楽しめるようなクイズの方向性を提示することができるのではないか。イチローの引退をぼんやり考えながら、なんかそういうことを強く思った。クイズは、知的な遊びは、知的に成熟した年配の人間にこそ似合うようなものであるべき、だと思いたい。

・だから、何度でも言うが、クイズを「スポーツ」とか「競技」とか「知識の格闘技」とか、そういう勝敗に拘るような文脈で語るのは、そろそろやめてもいいのではないか? 早押しと暗記が苦手で、世事に疎いおっさんは、そんなことを考えるわけです。