ウラジオストクのウラジオストク中学の(以下略)

・「ウラ取り」ということについて、考えさせられる事件が立て続けに2件起こったので、個人的なことではあるが記述する。

・ごく一部で話題の「有職読み」の件、私もここで問題を作っている(26問目)ので、張本人の一人と言えようか。

・この問題は2008年の問題。このときは子供が生まれる直前で、東京のクイズの集まりに参加せず、問題だけ送付した記憶がある。だから、私が読み上げていないので、当時どういう反応があったかは分からない。

・今は割とマシになっている(と思う)が、そもそも私の問題作成はウラ取りが甘いような気がしていた。だから、間違いを指摘されることもちょこちょこあった。「有職読み」については、まだ正否の確定していない部分もあるが、不適切な出題と言われても仕方なかろう。デジタル大辞泉に掲載がある、という情報もあるが、私の電子辞書版デジタル大辞泉には掲載がない。古いからだろうか。

・たぶん、何処かで見聞きした用語を、ネットで検索したら見つかったので、ウラが取れたような気がして出題してしまったのだろう。家の書籍をひっくり返しても、「有職読み」という用語が全然出てこないし。辞書にも全然ないし。

・もっとも、辞書に無い用語を出題してはいけない、ということではない。むしろ、辞書に無い用語をいかにクイズに出していくかを考えなければならない。それにはウラ取り上、危険が伴う。

・もう一つの事件は、「王貞治ランニングホームラン事件」である。事件名を聞いても全然意味分からないでしょ。

・発端はこの書き込みを見たことだった。実は全く同じ問題を私は1997年(秋元さんの卒業後)に出題している

・プロのクイズ作家がウラ取りできないものを、なんでおまえが出題してるんだ、と言われそうだ。これは完全に発想が先にあった問題で、調べてみたらランニングホームランがなかった、ということで出題した。で、そのときに資料にしたのは『プロ野球データブック・最新版』(宇佐美徹也・講談社文庫・1995)である。この中に、ホームランの本数と、そのうちランニングホームランが何本かを記述した箇所があった。そこを見た・・・はずなのだが、確認できない。なぜならこの本は今手元にない。古いデータで意味が無いと思い、処分してしまったのだ。もったいない。

・で、私が興味があったのは「この本でウラ取りができたと言えるのか否か」ということである。もっと一般化して言えば、「プロのウラ取りはどの程度までおこなうのか」が知りたい。これだけプロの方がSNSで発信する時代なので、ぜひ教えていただければクイズ界に寄与しまくりかと思われる。

・一方、プロではない一般の人達が仲間内でおこなうクイズについては、プロ基準でなくてもいいのではないのか、という意見を私は持つ。ウラ取りは大事だが、必要以上に拘りすぎない方がいいかな。その上で、他人のクイズ問題が不適切だと思ったら、遠慮無く指摘する、そんな環境ができればいいかな。この辺、異論もあろうと思うので、ぜひご意見伺いたい。

・一連の事件の中で、興味深かったことがもう一つある。市販されている某クイズ王の問題集にも「有職読み」が出題されていたことだ。また、管見の及ぶ限りもう一例、クイズに強くなりたい人向けの電子書籍にも出題例があった。こうしてベタが生まれていくのだなあ。