高校生クイズ30

高校生クイズ。以下、思いついたことを順番に。
 
・メーンパーソナリティ、少なくとも菊川氏はリアクションが悪い。ま、あれが、普通の東大出身者の反応であろう。彼女はきっと誠実な人なのだろう。
 
・そもそも、東大には天才が入るのだ、というイメージがうざい。「東大生ですら正解できない問題」を答える人は、東大程度の大学なんか目指しちゃダメじゃん。
 
・漢文の問題の時に、宇治原氏が「京都大学の入試レベルを超えている」というような趣旨のことを話した。これはひどいコメント(というか編集)である。基本的に京都大学の2次試験には漢文が出題されないのだ。どんな意図があるか知らないが、よくもまあそのままこのコメントを流せたものだ。だいたい「須」に注目しさえすればよいあの問題が、京都大学の問題よりレベルが高い、とは全く思われない。
 
・所詮テレビ番組なんて全部そうだ、と言ってしまえばそれまでなのだが、そう大したことのないことを、演出の力でものすごいことに見せようとする、そのやり方のすさまじさをまた実感。
 
・しかしそれが、そろそろ視聴者に見透かされるときが来ているのではないか。明らかにこのクイズで問われていることは、勉強ができる人が、勉強をした末に手に入れるような知識ではない。
 
情報格差と言うことについても、そろそろ誰かが暴露したらどうか。
 
・そもそも、テレビのクイズ王決定戦的番組が無くなった後、一定の範囲で「超難問」を作成し、「オープン」と呼ばれる大会でお互いに既出問題を出題し合い、「実力がある人」を決めるかのような演出をしてきたのがクイズ界だった。それを、高校生たちを使って再現しようという一部のオトナがいる。そこに五味演出がぴったりとマッチした。
 
・オトナたちは、自分がかつて何処かで出題したような問題を集めて、「超難問」と銘打って出題した。まるでそれがクイズという世界の決まり事であるかのように。高校生たちは、そのオトナたちの問題を手に入れて、暗記しまくった。覚えれば勝てるから。覚えれば、他の人が驚くほどのポイントで早押しできるから。
 
・もちろん、手に入れられるのは一部の高校生に過ぎない。そこに格差が生まれる。「こういう問題がオトナのクイズの世界では出題される」というクイズ問題を手に入れ得た者だけが解答できる。それが今の高校生クイズである。要は、「クイズ界」というごくごくごくごく狭い一部の人間の居場所に関わりを持った高校生だけが、勝つチャンスを持っているということ。そういうことを暴露されれば、この番組は本当に終わるor方向転換を余儀なくされる、はず。
 
・ちなみに、今回は決勝に新作っぽい難問も混ぜているから、答えられなかった問題はじゃんじゃんカットされたと思われる。その辺について、最近のクイズ事情(っつーものが存在するかも微妙)に疎い私は、いちいち指摘できないのが歯がゆい。誰かすべての問題について、どの問題集の何処に書いてあったか、指摘して公表してくれないものかしら。
 
・それにしても、いくら超早押しを演出したいからといって、いまだに「特に水鳥」などという問題を出題して、恥ずかしくないのだろうか。恥ずかしくないんだろうなぁ。恥ずかしかったらこの番組、成立しないもんなぁ。
 
・余談だが、準々決勝は1回戦だけ難易度(クイズ界で出題される度合いの高さ低さ)が高かった。どういう意図があったのだろうかね。
 
・次に、クイズっぽくない問題について。
 
・正一万角形の対角線にしても、ロト6にしても、普通の高校生にすら「ただの計算じゃん」と思われちゃう問題を出すのは、どんなものなのだろうか。準決勝のハッブル問題にしても、基本的には計算さえすれば解ける。だいいち、本当に解き方を思いつくことさえ難しい問題だったら、電卓の使用可にするのが普通だろう。要は、筆算(暗算でも良いが)の能力だけを問うているわけだ。
 
・誰かが書いているかも知れないが、一応書いておく。ハッブル問題は、「距離÷速さ=時間」だから、式を変形し、ハッブル定数の逆数が求める時間であることが分かる。あとは「3.09/(70.5*86400*365)」を計算。桁数が面倒くさいと思うが、だいたい宇宙ができてから100億年代だというのは知識として常識なので、有効数字3桁さえ出せれば答えはOK。
 
・何で距離÷速さで答えが出るか、とか、「Mpc(メガパーセク)って何?」みたいな知識は必要ない(そのくらい知っていると思うが)。与えられた条件で「時間」を「年単位で」出せ、と言われれば、あれしか計算のしようがないから。
 
・長くなるので、個々の問題についてはまたいずれ。