センター試験2009つづき

・古文。長い文章だが、まあ典型的なコイバナ。問1は楽勝。どんな古文単語集にも載っている知識でいける。問2。「賜る」「ご覧ず」の敬語の種類が分かれば、2と4に絞れる。あとは「御覧じ候ひて、」で次の二重敬語につながっているので、「御覧じ」の主語も相当エライ人か、会話の相手か、そのあたりになる。問3。白菊の花が「移ろいやすい心情」の喩えになりやすいことを知らないと、ややつらい。また序詞かどうかの判定をさせる、というのも高校生には難しいのでは? つーか、そこまで授業で扱わなければならないのだろうか。一応言っておけば、「序詞」は叙景(事物の叙述も含む)の句が殆どである。叙景と叙情を重ねるための表現が「序詞」であり、「掛詞」である。それを教えろ、ということだろう。問4。セリフや心中語が心情を表す典型的な問題。「めざまし」「びんなし」を分かっていれば楽勝。問5。五行目さえ読みとれば正解が出る。こんな簡単で良いのか? 問6。1に引っかからなければ楽勝。

・漢文。注を使って人物の説明を理解しないと正解できない問題がある。問1。「安寧」「寧日」あたりを知っていれば1か2に絞れる。「相類」は私がいつも授業で言う「熟語を作れ」で「相互」「類似」を作ればオシマイ。問2。書き下し問題は(1)句法が有れば、それに従う。(2)語順で絞れれば、それに従う。(3)それで無理なら、訳してみる。この問題は、慣れていれば(2)でいける。ま、文脈でも解けてしまいそうなので、正解率は高いと思うが。問3。(ア)が簡単なので楽勝。問4。3とか4に引っかからないと良いが。3は(注9)の内容の強調だし、4は空っぽの強調。問5。「二君の荒淫と精明とは」で、二人の資質が違うことを理解できれば楽勝だが、そうでなくても後半で充分絞れる。問6。久しぶりの10点問題。よく分かんなくても消去法でいけそう。

・ということで、ごく簡単に見てきたが、「受験テクニック」より「国語の世界を深く勉強してこい」というメッセージを強く感じる試験であった。概ね良問と言えるだろう。これでいつでも解説授業できるぞ。