私はあのすぐそばで実況中継をしたい!(第9回グアムより)

・「QUIZ NIGHT」の記事を見て、正直「高校生クイズ」などどうでもよくなっていますが。

・準々決勝の早押し。ポイントを最初に持ってくる露骨な問題作りは健在。それでも「20年もの歳月をかけて全8部を書き上げた代表作『チボー家の人々』で知られるフランスの作家は?」だったら、逆に「フランスの作家マルタン=デュ=ガールが」で始めちゃった方が、間違いなく超早押しを演出できる。

・もちろん、超早押しを演出すればよい、と言っているわけではありません。

・準決勝。あんな問題を「NASAからの挑戦状」と言って、NASAは怒ってこないのか? 本当に賢いかどうかを確かめたかったら「太陽の表面温度は、どうやって求めるのでしょうか?」と訊いてやればよい。

・漢文では論語が出た。別に孔子は高校生に挑戦しようとして論語を書いたわけではないと思うが、それはまあ置いておく。実はこの問題の内容は、ゲストの加藤徹教授の著書『漢文力』(文春文庫)にはっきり書いてある(ただし、原漢文は掲載されていない)。もしかしたらネタ元かも。準決勝ではこれとマンモスが、ちゃんとした学力を測れる問題のように見えた。

・8000m級の山や、ノーベル文学賞受賞者の多答問題。作成がお手軽な問題。今後、対策を立てられまくるでしょう。

・決勝もベタが多く、特にコメントは必要ない。

・TBSを見られない私が言うのも何ですが、第1問の「ウィトルウィウス的人体図」をはじめ、3問がWQC決勝とかぶっていた。こういう出題を普通にできてしまえることに、不思議の念を禁じ得ない。

・このような問題の使い回し状況が起こることは、今までクイズの世界ではあまり問題視されてこなかった。ベタ問が「クイズプレーヤーのみに開陳された共有財産」のように扱われ、そこからクイズ大会やテレビ番組に出題しても良いとする価値観が広まっているからであろう。世の中の森羅万象のうち、ごく限られた「ベタ」のみを出題対象としていき、対策をしている人たちの中だけで「勝利の栄光」を回していく。

・それと全く対極にあるのが「ホールドオン」。ベタを出してもクイズマニアを出さない「アタック25」という番組もある。

・そういえば、100Mの世界記録を保持した唯一の日本人は?という問題。藤井実の立場は?

秋田県にいると(いなくても)、何で今さら公立と私立を対決させなければいけないのか、理解に苦しむ。ま、他に煽りようがなかったんでしょ。