あの記事では問題です

・AERAのあの記事「では問題です」を読みました。初めて知ったことが多く、たいへん勉強になる。

・たとえば、「ウルトラ」「史上最強」「FNS」をまとめて「3大クイズ王番組」と言われていたことなどは、浅学にして知らなかった。「3大クイズ王番組」で検索をかけても引っかからないところを見ると、よほどディープな専門用語なのでしょう。また、クイズを鑑賞する人が増えた理由が、SNSの発展によるものだというのも初めて知った。

・という皮肉はこの辺にしておく。この記事、記事としてそもそもどうなんだろう? 小見出しのタイミングが悪く、非常に読みづらい。いろいろ盛り込みすぎて散漫な印象、言いたいことが結局何だかよく分からない。事情をそれなりに知っている私ですら、読むのに苦労したのだから一般の人には何処まで内容が伝わっているのだろう? 例えば「競技クイズとは何か」を説明していないし。

・クイズ周りのことを取材し、いろいろな人を紹介されて話を聞いているうちに、もったいないから(=それなりに興味深いから)全部盛り込んじゃった、という典型的な悪パターン。我々学校新聞で特集記事を作るとき(私は新聞部の顧問でもあるのだ)、「単純な問いを立てろ」ということを言う。この記事だったら「特定のクイズプレーヤーを鑑賞する若い女性が多いのはなぜか」という問いがスタートにあるわけだから、その理由を掘り下げていけば良い。そこに、クイズ王番組の歴史などあまり関係ないのではないか。むしろ「アイドルの変質」あたりの話が関連しているような気が。

・「いや、クイズの世界の成熟を分析したい」というのなら、少なくともトップリーガーへのインタビューはいらないよね。「99人の壁」もクイズの世界の成熟を分析するにはやや遠回りになりそうだから、外してもいい(まあ、関連づけた分析はできますけどね)。

・にしても、「長期休暇が取りやすいから公務員」って公言するのって国民の皆さんから見てどうなんですか? アタック30周年とかホールドオンに仕事の都合で参加しなかった公務員としては、非常に違和感がある。「産休がとりやすいから公務員」ってのなら、百歩譲って理解できなくはないが、それだって公言はしないかな。

・クイズ番組とか競技クイズとかを記事にするとき、なんでいちいちクイズの歴史をひもとく必要があるの? 「ももクロ人気」を分析するとき、常にキャンディーズから始めますか?(たまには始めてもいいけど) 今流行っている他のものとの関連を考えたり、取材で観客の心理を深く掘り下げたり、そういう方向では分析できないものでしょうか?

・ひとつだけあまりにも分からない文「個性派ぞろいで有名なウルトラクイズ7位の人も2人参加していた。」って、だから何? 

・あれだけ高校生を(ナントカ甲子園よりも)熱くしているAQLをガン無視しているのもすごい。そういえば、ニュース・博識甲子園に優勝した生徒の調査書には、めでたく優勝したことを書けるようになったのだろうか。後学のために是非教えてほしい。

・結局、私が一番散漫な投稿をしているような気が・・・。