ジャンル=キャッチフレーズなんですよ(日本ポップス伝より)

・このところの「99人の壁」バブルが終わり、やっと訪問者の数が落ち着いてきた。なので、やや硬質な話。別に、巷間激しく言い合われているような議論に与するつもりはない、ということは付け加えておく。だって別にクイズの世界を広げないから、どうでもいいんだもん。

・クイズに限らず、将棋でも野球でも、「競技」として「最高峰」を演じるような世界と、愛好家がぼちぼちやっている世界と、両方が共存している。しかし、クイズの場合と、他の場合とは相当に事情が違っている。クイズの場合はプロとしてお金をもらっていない、というような話ではない。

・将棋でも野球でも、愛好家の世界は基本的に「競技」としての「最高峰」より下部のもの、という位置づけである。これは相当に明確な位置づけだと言える。微差はあれど、「最高峰」のやり方を後追いするのが基本的なスタンスである。

・一方クイズにとって、「最高峰」というものは存在しない。いわゆる「競技クイズ」はクイズの1カテゴリーに過ぎない。「最高峰」っぽい場面設定をすることはいくらでも可能だろうが(全国から集めた体にしたり、それっぽい団体が主催している体にしたり)、たとえば「競技クイズ」の作法が遍くクイズに行き渡るわけではない。現に、すべてのクイズが競技クイズ化している、とは別に言えない状況でしょ。

・だから、「競技クイズ」だけがクイズ文化の担い手になるわけではない。サークルのちょっとしたクイズでも、ネットにひっそり掲載する個人的なクイズでも、クイズ文化を芳醇にするのに役立つ。このことは、はっきりさせておきたいと思う。オリジナリティのあるすべてのクイズ(問題でも形式でもルールでも)が、クイズ文化を一歩進める原動力になり得るのだ。

・「競技クイズ」をあがめる必要も、価値が高いものと持ち上げる必要もない。自分のクイズを卑下する必要もない。目の前の人を面白がらせたら、それが正しいクイズなんだろうと思う。究極は「俺のクイズ」というジャンルができたら理想だが、そこまでオリジナリティーは生活すべてをクイズ作成に捧げないと作れないだろう。

・実は、競技クイズで勝つことより、人を面白がらせる方が難しいことだったりして。「俺はクイズで人を楽しませたことがない!」とか言ってクイズを引退する人が出てきたりして・・・そんなわけないか。